会長挨拶

【ご 挨 拶】

一般財団法人 日本退職公務員連盟会長 鴨下 一郎

 本連盟は、昭和23年(1948年)戦後の混乱と未曾有のインフレが渦巻く中、退職公務員の生活を守ろうと「恩給増額期成同盟」として結成されました。以来70余年恩給及び年金制度改革に当たって、生活に根ざした退職公務員の声を反映させながら、誠実に、しかも強力に対応して、両制度の基盤づくりに貢献したと自負しています。その後、国の経済の成長期、低迷期を問わず、実質年金額の維持と退職公務員の生活の安定に努力し続けてきました。

 科学技術の進歩や社会保障制度の整備が進むにつれて、人の意識と生活スタイルが変わり、今我が国は、世界で最も早く少子高齢社会を迎えております。100年後には現在の人口の約半数6,000万人になるという推計もあります。この状況に危機感を持った政府は、高齢者と女性の労働市場への参加の条件整備を進め、外国人労働者を受け入れようとしております。

  本連盟が長年主張し続けた公務員の「65歳定年」「在職老齢年金の支給停止基準の緩和」等が制度化されました。続いて次世代の人が評価する社会保障制度の構築と引き継ぎのために行動してまいります。さらに、20万人を超える会員が、健康で、生きがいのある納得の人生の集大成ができる環境を創っていきたいと念じます。私自身医師として、長年日本の政治に関わった者として、日公連のこの事業に微力を尽くしたいと考えております。

 本連盟が長年主張し続けた公務員の「65歳定年」「在職老齢年金の停止基準の緩和」等が政策課題として取り上げられるようになりました。引き続き連盟の主張を、政府等関係機関に働きかけていくとともに、社会保障制度を支える側と支えられる側の内実の相互理解を進めていくことも考えます。

 社会の活力の維持と強化、国際的な信頼の回復は、今や我が国の喫緊の課題です。本連盟が目指す活力のある高齢社会の構築と発信はその課題解決の一助になると信じて、これからも行動してまいります。